四柱推命で良くないことが起きる年って、いつだろう?

四柱推命で良くない年
この記事は約8分で読めます。

はじめまして。M&L コンサルティングという会社で「四柱推命鑑定・アドバイス業務」を16年やっております。武田と申します。これまでの16年の経験を踏まえて、皆さまに、「良くないことが高い確率で起こりやすい年」をお伝えします。

 

最初に断っておきますが、天中殺(てんちゅうさつ)、空亡(くうぼう)、大殺界(だいさっかい)の3つは、それぞれ的中率は50%です。それらの年が良くない方が全体の半分はいらっしゃいます(100人いるとしたら50人に該当します)。また、天中殺、空亡、大殺界の年に好調な運気になる方も100人中50人いらっしゃいます。

 

四柱推命で1番悪い年はいつ?四柱推命で最も運気が下がる年はいつ?

占いの帝王(ていおう)と呼ばれて久しい四柱推命(しちゅうすいめい)です。その四柱推命において、1番悪い年(最も良くない年)とされるのはいつでしょう?

●「空亡(くうぼう)と大運空亡(たいうんくうぼう)が重なった年」でしょうか?

●それとも天戦地冲(てんせんちちゅう)の年でしょうか?

 

●それとも偏印(へんいん)が大運と年運で同時に巡って、命式の食神(しょくしん)を剋す年でしょうか?いわゆる倒食(とうしょく)の年でしょうか?

人それぞれ、色々なお考えがあると思いますが、私の見解を述べます。

上記の空亡(くうぼう)、大運空亡(たいうんくうぼう)、天戦地冲(てんせんちちゅう)、倒食(とうしょく)については、私は一切、気にしません。それらの年に「運気が下がること」はありますが、逆に「運気が上がることもある」からです。そうではなく、「その年、絶対に運気が下がって高い確率で良くないことが起こりそうな年」を、このページで説明します。

 

では早速、答えを言いましょう。私が1番気にする、1番注意すべき(良くない)年は、「その命式にとって1番、悪い十干(通変星)や十二支が、大運と年運で同時に2つとか3つとか巡った年」とお答えします。例えば下記のような命式があるとします。

時  日  月  年

庚  甲  丁  癸
子  寅  巳  丑

月令は(丙)

●格局は身弱の内格(みじゃくのないかく)

■喜神(きしん)は甲(比肩)、乙(劫財)、壬(偏印)、癸(印授)です。
※喜神で特に良いのが私の所感では壬(偏印)、乙(劫財)です。甲(比肩)、癸(印授)も良いです。喜神は4つ全て、しっかりと良さがあります。

■忌神(いむかみ)は丙(しょくしん)、丁(傷官)、戊(偏財)、己(正財)、庚(偏官)、辛(正官)です。

※忌神で特に良くないのが庚(偏官)、戊(偏財)です。丁(傷官)、丙(食神)も良くないです。己(正財)も良くない。辛(正官)はさほど怖くない感じがします。

このような判断をしてこそ、「この年は本当に良くない」とか、「この年は忌神が巡るけど、さほど悪くない」など正確な判断ができるということです。

何度も言いますが、上記命式では、十干(じゅっかん)の中で1番、嫌なのが「庚(偏官)」と感じます。よって、大運で庚(かのえ)が巡り、その大運の庚(かのえ)の間で、年運でも庚(かのえ)が巡り、年運の十二支が申(さる)だと要注意です。そして8月から10月までが本当に注意です(特に8月、9月が注意)。

大雑把に言ってしまえば、身弱の内格(みじゃくのないかく)で日干が甲(きのえ)の方は、大運 庚(かのえ)で、その間(あいだ)の年運(ねんうん)で庚申(かのえさる)など巡る年は要注意です(例外はあります。命式により当てはまらないこともあります)。

毎年、毎年、大運で1つ、年運で2つ、十干(じゅっかん)や、十二支(じゅうにし)が必ず巡ります。よって、毎年3つの作用が巡ると考えますが(中国式四柱推命での考え方です)、その3つの作用全てが悪い作用をする干支(かんし)だと本当に良くないということです。

なお、十干(じゅっかん)というものは、四柱推命においては、「通変星(つうへんせい)」のことです。十干(じゅっかん)と通変星(つうへんせい)は同じものと考えていただいて差し支えありません。「十干=(イコール)通変星」です。

 

日干(にっかん)が甲(きのえ)の身弱の内格(みじゃくのないかく)の方は、1番良くない通変星(十干)は、「庚(かのえ)」になるかもしれません(季節や地支により、多少違いが生じます)。この方にとって、1番の悪い年は庚(偏官)が2つとか3つとか同時に巡る年と言えます(ただし、同じ十干が同時に2つ巡る年はありますが、3つ巡る年はありません)。大運で庚(偏官)が巡る期間の間(あいだ)で、年運でも庚(偏官)が巡る年が、この方にとって本当に良くないと言えます。さらに、年運の十二支で「申、酉」などが同時に巡って、庚(偏官)を強める場合はさらに良くないです。こういう考え方を、私の行う中国式の四柱推命ではします。
※月運(げつうん)の十干(じゅっかん)を、大運、年運の十干(じゅっかん)と同等に扱えば、庚(かのえ)が同時に3つ巡るタイミングはありますが、私はこの見方はしません。

 

●以上の実例では(身弱の内格で日干が甲の方)、「庚(偏官)」が1番悪い通変星でした。その庚(偏官)が2つ重なっている年で、さらに「申、酉」などが年運の支で巡っていると本当に良くないということです。

 

以上の実例では、1番悪い通変星が庚(偏官)と出ましたが、この1番悪い通変星が、人それぞれ違うのです。

人によっては、1番良くない通変星が、「正官(せいかん)」という人もいますし、「印授(いんじゅ)」という人もいますし、「正財(せいざい)」が最も悪いという人もいます。もちろん、劫財(ごうざい)が1番悪い人、傷官(しょうかん)が1番悪い人、偏印(へんいん)が1番悪い人もいるでしょう。

 

また、十干(じゅっかん)よりも、十二支(じゅうにし)のほうが良くないという人もいるでしょう。申(さる)が悪い人、酉(とり)がとにかく悪い人、亥(い)が悪い人、卯(う)が悪い人、丑(うし)が悪い人、それぞれ、命式によって、1番悪い十干(十二支)は違うということです。

 

四柱推命の良くない年は「天中殺、空亡、偏印、劫財、傷官」の年とは限りません。

前述の実例で示したとおり(日干甲の身弱の内格の方の場合)、良くないことが起きそうな年というのは四柱推命ではかんたんに判断できます。それは、「良くない星(忌神)の干や支が大運と年運で重なる年」です。天中殺(てんちゅうさつ)の年、空亡(くうぼう)の年や、偏印(へんいん)や劫財(ごうざい)、傷官(しょうかん)の年は必ず良くない年と思い込んでる方には申し訳ないですが、その見方は大正時代(たいしょうじだい)の頃に日本で広まっていた四柱推命です。

 

どの通変星が良いか(悪いか)を判断するためには、格局(かっきょく)を出す必要があります

先ほど日干(にっかん)が甲(きのえ)の身弱の内格(みじゃくのないかく)の実例を挙げましたが、この、身弱の内格(みじゃくのないかく)というものが、格局(かっきょく)になります。命式をみて、格局(かっきょく)を出すことにより、良い通変星、良くない通変星は大体は出ます。その良い通変星のことを、私らは喜神(きしん)と言います。良くない通変星のことを忌神(いむかみ)と言います。格局を出せれば喜神、忌神が出せるということです。

 

四柱推命においては、未来の状況や色々な出来事の予測、金銭運、仕事運、体質から性格まで全ての判断を喜神(きしん)、忌神(いむかみ)で行います。

 

専門用語を交えて、もう一度、言い直しますと、大運(たいうん)、年運(ねんうん)で喜神(きしん)が2つとか、3つと重なる年が、「良い年」ですし、忌神(いむかみ)が2つ、3つと重なる年が「良くない年」です。

 

天戦地冲(てんせんちちゅう)の本当の意味を知らない人たち

世の中には、「天戦地冲(てんせんちちゅう)だから要注意」なんてアドバイスされるプロの方がいるようです。「えっ?当たり前でしょう。天戦地冲(てんせんちちゅう)は良くないんだから」と思ったそこのアナタにお伝えしたいことがあります。もう少し読み進めてください。天戦地冲ですが、十干(じゅっかん)と十二支(じゅうにし)に分けて考えるといいです。巡ってくる干支(かんし)のうち、干(かん)が命式を剋して(通変星では偏官に該当します)、巡ってきた十二支が地支と冲(ちゅう)の関係になる干支が巡る年が天戦地冲(てんせんちちゅう)と言うそうです。

 

偏官(へんかん)は悪い(忌神)、冲(ちゅう)は悪い(忌神)という考え方が当てはまる命式の方なら、天戦地冲の年は良くないとなります。しかし、中には偏官が良い星で、地支を冲するのも良いという命式の方もいます。その方は天戦地冲の年は良いとなるのですが・・・。流派が違えば、四柱推命の考え方も異なりますが、天戦地冲・・・そんなに恐ろしいものでもないと思いますよ。

 

四柱推命は喜神(きしん)、忌神(いむかみ)の判断がとにかく大事です。

何度でも言います。とにかく四柱推命においては、喜神(きしん)、忌神(いむかみ)の判断が大事ということです。喜神なり忌神がどのような作用を命式(めいしき)に与えるかで、どんな現象、事象が起きそうかを推測、予測します。ネット上では、「喜神、忌神の概念は四柱推命には必要ない」とか、「喜神、忌神では当たらない」なんて意見を聞きます。色々な意見があるのが四柱推命なので、私は特に気にしませんが、一般の方は、そんな意見を目にして迷ったり悩んだりするものです。

 

なお、喜神、忌神だけ見ていても、良しあしがピタリと当たるわけではありません。「喜神、忌神どおりにピタリと出来事、物事が起こるはず」と短絡的に考えるから、「喜神、忌神は必要ない。当たらない」なんて意見が出てくるのでしょう。喜神、忌神は大事な理論ですが、さらに先の理論をしっかりと知らないと四柱推命は当たりません。

最後に、少しだけ読み解き方のヒントを言いますと、喜神、忌神の程度(軽重)が影響の度合いに関係します。忌神だったら、どんな忌神でも悪いということはなく、この忌神は本当に良くない、この忌神はさほど悪くないなどがあります。それと、喜神、忌神で判断するよりも、五行のバランスで考えないと「四柱推命が当たらない」こともあります(格局によります)。よって、忌神が巡っていても、さほど悪くないなんてことは普通にあります。そういう微妙な点をどれだけ知っているか?が四柱推命の精度に関わります。
error: