従格(じゅうかく)は、どのような命式?

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中国式四柱推命における格局(かっきょく)は、四柱推命判断を行う上で大変、重要な事柄です。格局を出す際の手順としては、まずは、その方の生年月日時より命式を出します。そのあとに格局(かっきょく)を出します。

その格局(かっきょく)の中で、従格(じゅうかく)というものがあります。今回の記事は従格(じゅうかく)について解説します。

 

従格について 五行のバランスが偏っている命式が成立しやすい

従格(じゅうかく)について説明します。四柱推命的な言い方をすると、「五行のバランスが偏っている命式や(飛びぬけて強い五行があるなど)、特に目立って強い五行がある命式が従格になりやすい」と言えます。五行の数(多さ、強さとも言います)がバランスが良くない命式は従格が成立する可能性があります。

 

ただし、五行のバランスが偏っている命式の全てが従格(じゅうかく)になるわけではありません。五行のバランスが偏っていても内格になることがあります。「いくら五行のバランスが偏っていても、この条件に該当すると絶対に(100%の確立で)、従格にならない」という決まりが、いくつか存在します。そんな条件に該当したがために、「従格になりそこなった内格」の命式は、はっきり言ってしまえば運勢の点で注意が必要です。脅かすわけではないのですが本当のことです。よって、五行のバランスが偏っている方は、四柱推命判断の際に、特に、「従格になるのか?」、それとも、「内格になるのか?」を正確に見極めないといけません。

 

従格(じゅうかく)の人は果敢に自身の夢や目標にチャレンジする。リスクを恐れない。

従格の方は大雑把に言えば、ドリーマーであり、チャレンジャーです。自身の思い描く大きな目標に向かって邁進する気概があります。失敗するリスクを恐れずに挑戦します。世間の常識、世間体、慣習、一般論は、従格の方には通用しませんし、馬の耳に念仏です。芸能界に入りたい、アメリカに渡って世界で通用するトップアーティストになりたい(アートなど)。ミュージシャンで成功したい、バンドを組んでプロになりたい、ギターで世界一になりたい、四柱推命で名を成したい、会社を作って社長になってビッグになりたい、自身の店をたくさん持って事業家になりたい、世界でビジネスがしたいなど。

「成功する可能性が低い」ことは百も承知で、「自分のやりたいことに挑戦する」のが従格の生き方です。「実現の可能性が低いから、自分のやりたいことを諦める」という概念は、従格の方にはありません。対して、内格の方は、「成功する可能性が低いなら、やめておこうかな」と考えやすいです。

とにかく従格の方は夢が大きいですし、やることなすこと考えることが、一般の方よりも「一回りデカい」です。性格傾向は、人から指図されるのを好まず、独自の世界観と価値観と強い信念と自負心を持ちます。協調性を求められるようなお堅い会社勤めや、事務作業など単調な仕事は全く向きません。個人事業主や法人経営、その他、歌手、シンガーソングライター、ミュージシャン、芸能人、ネットビジネスなどの自由業が合います。

中には従格らしくない、従格の方もいらっしゃいます。「従格」と言っても成立の仕方は様々でして、従格になるための通変星(従神と言います)が、あまり強くないけど、どうにかこうにか、ギリギリで従格になったみたいな従格の方もいらっしゃいます。仮に、「内気で控えめな性格傾向にかなり傾いた従格の方」だと、消極的な傾向が出ることにより、チャレンジやドリームとは無縁の人生を送られていることがあります。

 

従旺格(じゅうおうかく)について

従旺格(じゅうおうかく)と言えば、「比肩や劫財が強くて、食傷や財星や官星が弱いこと」が特徴と言えます。比肩や劫財が強いということで、「性格的に頑強で我が強くて自己中心性が強いパワフルでイケイケどんどんな感じの人」みたいなイメージを持つ方がいるかもしれませんが、少し違います。従旺格が成立した命式は比肩や劫財が喜神になりますので、「比肩、劫財が喜神で強い命式が従旺格」と言えます。

 

実際の従旺格の方は、落ち着きがあり、穏やかな性格を持ち、芯がしっかりした頼れる良識人といった感じです。我の強さは確かに感じますが、メチャクチャなワガママを言うわけでもなく、いたってまともな常識的な方がほとんどです。私は従旺格の方は好きです。接していて疲れませんし優しくて楽しい方が多いです。ただし、筋の通らないことや不正や倫理に反すること、努力をせずにダラダラと過ごすことは嫌うので、適当に人生を生きてる人や悪人からすれば従旺格(じゅうおうかく)の方は少し面倒な存在に見えるでしょう。

 

従旺格の方は生まれつきにリーダー運が備わりますので、どのような場でも自然にリーダー的な存在になりやすいです。

 

従児格(じゅうじかく)について

従児格と言えば、私はすぐに、とある著名な日本人のミュージシャン2人が思い浮かびます(お2人ともボーカルで大成功しました)。従児格は「好きなことで食べていける才能がある」とよく言います。従児格に該当する方は、何かご自身の好きなことをトコトンまで極めるとよろしいです。従児格に限らず、従格に該当する方は基本的に会社勤めは向きません。自身の感性や表現、アイデアを世に問うて、良い反応を貰えることで自尊心が満たされて幸福感を感じます。

 

従財格について(じゅうざいかく)について

あくまでも私の感想と印象になります。なぜかしら財星が喜神で強い従財格(じゅうざいかく)の方については私の周りにいません(友達で従財格は1人もいない)。講座受講者さまの中でも従財格の方はそこまで多くありません。私の中で「財星が強い方を自然と避けている節(あまり関わらないようにしている)」があるように思ってます。

 

私個人的には、財星が強い方は(従財格や身強の内格の方など)、その人にもよるのですが、性格傾向があまり好きではない(笑)。これまで多くの「財星が強い方」と接してきた経験上の話ですが、「圧が強い」点があまり好きではない。悪い言い方をすれば、「高圧的、押しが強い」とも言えます。また権利意識や損得勘定が強い方が、たいそう多いです(財星が強い方の性分でしょう)。

 

私自身は、性格上、「忍耐と我慢の人」なのですが、財星が強い方は正反対と言ってよく、忍耐と我慢とは無縁で、とにかく相手にタッチして自身のペースに半ば強引に引き込んでいくような感じです。私はそんな方と接すると、少々疲れてしまいますし、反発心を少々覚えます(笑)。私自身が相手のペースに合わせることができない生まれなので、余計にそう感じるのでしょう。

 

中にはすごく穏やかで物腰が柔らかい従財格の方が少しいらっしゃいましたが、多くの方はそうではなかったです。ありきたりな解釈で言えば、統率力があり、多くの人を率いたり社交性を活かして多くの人脈を築き、財を稼ぐのが従財格です。多少の押しつけがましさや権利意識、損得勘定の強さがあるからこそ、多くの人を強引に引っ張る力強さが生まれて、結果的に莫大な財産を手中にすることができるのでしょう。「どれだけ多くのお金を得ることができるか?」という点だけで考えれば四柱推命に存在する格局の中でもナンバーワンの能力と可能性を持つのが従財格(じゅうざいかく)です。

 

従殺格について(じゅうさつかく)について

従殺格(じゅうさつかく)については、私の最も近いところに従殺格(じゅうさつかく)の人がいるので(笑)、比較的によく分かります。中国式四柱推命では、私の格局は従殺格(じゅうさつかく)になります。

 

世の中には色々な四柱推命がありますが、よその四柱推命流派での「従殺格(じゅうさつかく)」の解釈を少し紹介します。何でもかんでもハイ、ハイと素直に従うことが良い、会社組織でも自分を殺して、組織にひたすら従って一心に働くことで人生が花開く。日干が弱く、日干を剋す官星が非常に強いので、とにかく自分自身の自我は出さず、強い官星に従うような長い物には巻かれる生き方が合う。

 

いや~、私(武田)、何でもかんでもハイ、ハイとは言えないし、組織にひたすら従うこともできなかったです。自分を押し殺すなんて、とうてい無理です(笑)。長いものに巻かれるような生き方が最も苦手で嫌いです。自我は出しまくりで、今の仕事(M&L コンサルティング)を15年やってます。

四柱推命理論上は日干が弱く、日干を剋す官星が非常に強いのが従殺格(じゅうさつかく)なので、自我は弱い、自分を捨てて、官星の強さに従って生きるのが良いとなるはずです。自分を捨てるという意味合いから、棄命従殺格(きめいじゅうさつかく)とかいう用語もあるくらいです。

ところがどっこい!なんです。私の半生は自分の熱中できることを好き放題、やりたい放題の人生でした。とてもとても、自分を捨てて他に従うとか、そんな人生では全くなかったです。

 

自分の自由を制限する存在、人については徹底的に反発、反論してきました。相手に言葉で勝てるように理論武装することを選び、自身の自由を必死に守ってきました。そんな中、中国式四柱推命と出会って従格の傾向を学び、自分自身の傾向とピタリ合うことに合点がいきました。

 

従殺格に限らず、従格の方は基本的に、「自由人」であり、「人に指図されるのを好まない」のです。身弱の従格(みじゃくのじゅうかく)は3つありますが(従児格、従財格、従殺格)、3つとも五行のバランス上は非常に身弱(みじゃく)です。しかし、この3つの格局に該当する方が、皆さん気が弱く大人しい感じか?というと、とてもとても、そんな感じには、ほど遠いです(笑)。皆さん元気で快活で意気揚々と仕事をします。

 

もちろん、従格(じゅうかく)により強い通変星が違いますし、日干も10種類ありますので、従格とは言え、それぞれの命式により、多少の性格的な違いはあります。身弱の従格3つは(従児格、従財格、従殺格)、理論上はすごく身弱だけど、性格は気が弱い感じは一切なく、比較的に積極的です。

 

四柱推命の理論と実情は違うということです。

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